第3回 プロジェクトがスタートしました

  • 前回までは、「初代CR牙狼XX」の開発が始まるまでについて触れましたが、今回は実際に企画がスタートしてからのお話になります。

当時の機種開発のプロジェクトチームは、いろいろな専門チームから一人ずつ選抜されるのですが、「初代CR牙狼XX」の場合は、他のパチンコとはちょっと違うシステムを搭載していたため人数が多めで、通常の1.5倍くらいの人数で構成されていました。とはいえ、サンセイはパチンコメーカーの中でも従業員数が少なく、かなりの少人数でいろいろなことを動かしており、このメンバー数も他のメーカーさんから見たら少ない方ではないかと思います。

「初代CR牙狼XX」の開発にあたっては、最低1ヶ月に1度は、雨宮監督ら『牙狼〈GARO〉』のスタッフとお会いして打ち合わせを行っていました。最初のプレゼン時、雨宮監督は『あまりパチンコは分からない』と、キッパリおっしゃっていましたが、『牙狼』の世界観は厳しく確認されていました。
翼人を『よくじん』と間違えて読んだら、監督に『つばさびと、と読むんだ』と指摘されて、企画担当者は冷や汗を掻いたこともあったそうです。

企画が進行する中で、『パチンコ専用の新しい魔戒騎士を出してもらえませんか?』とサンセイからお願いしたのですが、それは難しかったようで実現には至りませんでした。その代わり、魔界竜というオリジナルキャラを考案して頂き、初代の雨宮SPリーチとして「魔界竜リーチ」が誕生しました。これをきっかけに後のシリーズでも雨宮SPリーチが搭載されるようになりました。
その後、「パチンコ牙狼シリーズ」も機種数を重ね、雨宮監督にもパチンコのことをご理解いただき、今ではより遊技者が意外性を感じたり、おもしろいものをと、自らアドバイスやご提案を頂ける関係が続いています。
「初代CR牙狼XX」には、いろいろな技名が出てきますが、これは『牙狼〈GARO〉』の設定担当の方にも技名等を考えて頂きました。サンセイでもいろいろ考えて提案したのですが、お眼鏡に適うものが少なかったようです。

私は「初代CR牙狼XX」がリリースされた当時、魔戒騎士やホラーの技名をすべて暗記していましたが、中でも「業火炎破」は今でも忘れることはありません。
ラウンドバトル中、暗黒騎士キバが「業火炎破」という技を繰り出すときに「灰と帰すがいい」と言っているのですが、鎧召還時の声に加工が入っているため、何度聞いても「履いた靴がいい」としか聞こえず、営業のスタッフで何を言っているのか予想を立てていたのが面白かった記憶が今でも残っています。
何でもスタートアップの時にはいろいろなエピソードがあり、問題もいろいろありますが、その時にしか経験できないことがそこにはあって、そのような経験により、会社に対するいろいろな想いが一層深まっていくものと思います。

第2回 プロジェクト「初代CR牙狼XX」の始まり その2

  • 前回のコラムはいかがでしたでしょうか。
    「初代CR牙狼XX」についてお話しするのは久しぶりなので、今まで聞いたこともなかった方もいるのではないでしょうか。今回もコアなお話になっていますので、お楽しみください。

「初代CR牙狼XX」の企画担当者は『牙狼〈GARO〉』の映像を見た後、すぐ企画書を作り始め、「CR超絶合体SRD」の発表前、2007年2月ぐらいにはできあがっていました。

その時はまだ“ギガMAX”というスペックの考案前だったので、通常の“MAXタイプのデジパチ”として会社に提案していました。しかし、コンテンツの知名度が低い、システムの新規性がない、という2つの理由で開発着手にストップがかかりました。

その後、その担当者は別の企画をしていたのですが、喫煙所で開発スタッフが集まっていた時に、“ギガMAX”のシステムを思いついて、『牙狼』とドッキングさせたのです。
“ギガMAX”のシステムのベースは、“一種二種混合機”というタイプで、確変は搭載できないのですが、次の大当りまでの間隔を速くすることが可能でした(2007年当時)。当時は大当りが続く仕組みが分かりにくいので、市場評価はあまり得られていなかったのですが、逆に言えばこれを分かりやすくすれば売れるのではないかと、彼が思いついたのが“ギガMAX”だったのです。
それまでの一種二種混合機タイプでは、玉の動きによって次の大当りを抽選するタイプでしたが、一般の人に熱さが伝わらず、なんで当たったのか分かりづらい。そこで、玉の動きによる大当り抽選の熱さをなくし、熱さは液晶表現で万人受けするよう、大当り中のバトルで勝つと次の大当りがくるという様に、直感的に分かりやすくしたのでした。
“ギガMAX”と『牙狼〈GARO〉』という二つの要素が、ドッキングし、『牙狼〈GARO〉』だったら、“ギガMAX”を生かせるコンテンツだということで、NGだった企画書の「新規性がない」という意見も覆すことができ、開発着手となったのです。

私のいた部署では、当時「初代CR牙狼XX」をどういう風に打ち出していくかという事にすごく悩み、考えました。「初代CR牙狼XX」は未だかつてないシステムを持っていて、売れる要素が詰め込まれていたので、これは確実にヒットさせなければと宣伝する方としてもかなりのプレッシャーでした。
“ギガMAX”をプロモーションビデオやカタログ、イベントなどでどう伝えるか真剣に取り組んできたのですが、直接メディアの方々に内覧会などでお話したときには、何を言えばこのスペックの面白さが伝わるのかがわからず、すごくもどかしかったのを覚えています。結局ショールームでは、パチンコ島が今のパーソナル(各台係数)システムのようになっているため、大当り体感が得にくいので、導入前にそのすごさに気づいてくれる人はそこまでいなかった気がします。
しかし、市場に導入されて、しばらく経つと今までにないくらいたくさんの質問が来たり、専用本を作りたいというメディアの反応を受けたりと初めての経験をさせてもらいました。「初代CR牙狼XX」は他にもサンセイで今まで常識としてきたものを、まったく変えてしまうきっかけともなりました。

第1回 プロジェクト「初代CR牙狼XX」の始まり

  • 広報担当の「買い物客M(CR牙狼GOLDSTORM翔出演)」です。
    「パチンコ牙狼シリーズ」10周年ということで、これから牙狼にまつわるコラムを連載させて頂きますので、よろしくお願いします!
  • 初回はやはり「初代CR牙狼XX」についてですよね。
    「初代CR牙狼XX」の企画者が『牙狼〈GARO〉』(2005年10月~2006年3月放映)という作品に出会ったきっかけは、2007年に出した「CR超絶合体SRD」の大当り楽曲をJAMProjectの“影山ヒロノブ”さんに手掛けてもらったことです。このお仕事を機に、JAMProjectのライブに行かせて頂き、そこで聞いた牙狼の曲があまりにもかっこよかったことから、ドラマ『牙狼〈GARO〉』にたどり着きました。

当時、『牙狼〈GARO〉』を知る人はサンセイにはいなかったので、今となってはお宝?掘出し物ですよね。企画者は、スペックやシステムを考えたり、どんな版権がウケるかを日々考えながら過ごしているんです。そこで『牙狼〈GARO〉』に出会い、知名度はまだ低いけど、内容がパチンコ映えすると興味を持ったことが始まりです。当時のパチンコ台のトレンドは、いろいろなパーツは‘金色’がいいというのがありました。そう!“黄金騎士ガロ”は金色だから、ばっちりトレンドに乗っていました。そして、パチンコは当たりハズレがはっきりしていることが重要なので、主人公の鋼牙が黄金騎士ガロに変身すれば、どんなホラーでも倒せてしまう=『ガロに変身すれば勝つ』というように、演出を組み立てやすいこと。これらが版権獲得につながっていきました。

私は、機種を販売するためのツール作り、イベントやキャンペーン等を企画する部署にいたのですが、次機種の販売で「CR牙狼XX」と聞かされた時には『牙狼〈GARO〉』は知りませんでした。2008年11月導入予定のため、急ピッチで準備するということで、9月の3連休に25話+『牙狼〈GARO〉白夜の魔獣』をすべて見るという素敵な連休を過ごしたのを覚えています。特撮は子供の時、戦隊ものや仮面ライダーしか見たことなかったですが、人間の闇部分の表現が面白く、一気見してしまいました。パチンコに出てくるホラーバトルには、ドラマのホラーのほとんどが落とし込まれていたので、ホラー名やエピソードを全部覚えたことが、後々ヒットした際に細かいことを聞かれたときの役に立ちましたね。コンテンツに好き嫌いもありますが、長編のドラマを使ったパチンコは初めてだったので、新鮮だったのを覚えています。

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